アレンスキー ピアノ五重奏曲&ピアノ三重奏曲第1番
セルゲイ・クドリャコフ(ピアノ)、篠崎史紀、清水醍輝(ヴァイオリン)
佐々木亮(ヴィオラ)、木越洋(チェロ)
2005年録音
あ桂音 AKANE1013
ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.32があまりにも有名なアレンスキーだが、そのロシア・ロマンの極致をほかの室内楽で堪能できる格好の1枚。アレンスキーは、来年の2006年に没後100年を迎えるが、それに先立って企画、リリースされたもので、ピアノ五重奏曲ニ長調Op.51という珍しい曲が収録されている。日本では初録音である。日本のレーベルがこういう珍しい企画ものを出すのは、最近は珍しくはなくなってきたが、まだまだである。彼の室内楽でいま出ているCDといえば、ピアノ三重奏曲第1,2番と弦楽四重奏曲第1,2番くらいで、そのほかの室内楽を聴きたいと思っていた方も多かったと思う。
だから、ピアノ五重奏曲が聴けるのはうれしいと思うが、どうせなら、ピアノ三重奏曲第1番以外の曲とカップリングして欲しかったと思う。
ピアノ五重奏曲は、1900年に書かれ、生前は人気が高かった作品であるが、今では全くと言ってもいい程、忘れ去られてしまった。彼は、結核のためニースで療養生活を送るが、そのときの思い出が強いのか、第2楽章はフランスの古い民謡「アヴィニョンの橋で美女が歌うのを聞いた」の変奏曲が盛り込まれている。
しばしばチャイコフスキーの音楽と西欧音楽の両方の影響が強く、折衷的とさえ評されるアレンスキーであるが、没個性的ではなく、彼ほどわかりやすい音楽を書いた作曲家は珍しいと思う。革新性を狙って、難しい曲を聴かされるよりも、よっぽど心地がいい。革新的。個性的と銘打って、いわゆる「グレート・コンポーザー」の同じ曲を何度も聴かされるのは、ほとほとうんざりしてしまう。
みなさんはどう感じるであろうか?

